「公害防止管理者(水質)の資格を取りたいけれど、1種から4種まであって、どれを選べばいいのか分からない…」
「いきなり1種を目指しても大丈夫?それとも、まずは簡単な種別から始めるべき?」
もしあなたがこのような疑問や不安を抱えているなら、ご安心ください。
本記事では、公害防止管理者(水質)の各区分について、業務内容、試験科目、難易度、そして合格率まで、プロの視点から徹底的に比較解説します。
この記事を読めば、あなたに最適な種別を見つけ、効率的な学習戦略を立てるための具体的なヒントが得られるでしょう。
私自身、公害防止管理者(水質1種)に一発合格した経験があります。実体験に基づいたアドバイスも交えながら、あなたの資格取得を力強くサポートします。
公害防止管理者って何?というかたはこちらの記事をどうぞ。
大気についてはこちらの記事をどうぞ。
おすすめ教材についてはこちらの記事をどうぞ。
1. 公害防止管理者(水質)とは?選任の義務と役割
公害防止管理者とは、特定工場において公害発生施設の維持管理や、汚染物質の排出状況を監視する役割を担う国家資格者です。
1960年代の公害問題が深刻化したことを背景に、「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律」が制定され、特定工場には公害防止管理者の選任が義務付けられました 。
水質関係の公害防止管理者は、工場から排出される汚水や排水が、河川や湖沼などの公共用水域に与える影響を最小限に抑えるための重要な役割を担っています。
その役割の重要性から、工場が扱う排水の種類や量に応じて、1種から4種までの区分が設けられています。
2. 【業務上の違い】1種〜4種の違いをマトリクスで解説
水質関係公害防止管理者の種別は、主に「有害物質排出施設の有無」と「排水量」によって区分されます。この区分によって、担当できる施設の範囲が大きく異なります。
以下の表は、各水質関係公害防止管理者が選任される施設の範囲をまとめたものです 。
| 区分 | 有害物質排出施設の有無 | 排水量(1日あたり) | 選任可能な施設の種類 |
|---|---|---|---|
| 水質関係第1種 | 有・無を問わない | 1万m³以上・未満を問わない | すべての汚水等排出施設 |
| 水質関係第2種 | 有害物質排出施設のみ | 1万m³未満 | 有害物質排出施設(1万m³未満) |
| 水質関係第3種 | 有害物質排出施設以外 | 1万m³以上 | 有害物質排出施設以外の汚水等排出施設(1万m³以上) |
| 水質関係第4種 | 有害物質排出施設以外 | 1万m³未満 | 有害物質排出施設以外の汚水等排出施設(1万m³未満) |
この表からわかるように、水質関係第1種は、有害物質の有無や排水量の規模に関わらず、すべての水質関係公害発生施設において選任されることが可能です。
まさに「大は小を兼ねる」資格と言えるでしょう。そのため、将来的なキャリアアップや転職を視野に入れるのであれば、第1種の取得が最も有利であるとされています 。
3. 【試験上の違い】科目数・難易度・合格率を比較
各区分で担当できる業務が異なるため、試験科目もそれぞれ異なります。また、難易度や合格率にも違いが見られます。
試験科目と出題範囲
水質関係公害防止管理者の試験科目は以下の通りです 。
| 区分 | 公害総論 | 水質概論 | 汚水処理特論 | 水質有害物質特論 | 大規模水質特論 |
|---|---|---|---|---|---|
| 水質関係第1種 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 水質関係第2種 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | – |
| 水質関係第3種 | 〇 | 〇 | 〇 | – | 〇 |
| 水質関係第4種 | 〇 | 〇 | 〇 | – | – |
水質関係第1種が最も多くの科目(5科目)を受験する必要があり、第4種は最も少ない3科目です。試験範囲の広さから見ても、第1種が最も難易度が高いと言えるでしょう。
最新の合格率と難易度分析
公害防止管理者試験全体の合格率は、例年20%〜30%前後で推移しており、決して簡単な試験ではありません 。特に水質関係の合格率は以下の通りです(令和6年度データ)。
| 区分 | 合格率(令和6年度) |
|---|---|
| 水質関係第1種 | 30.9% |
| 水質関係第2種 | 18.2% |
| 水質関係第3種 | 24.2% |
| 水質関係第4種 | 18.3% |
注目すべきは、最も試験科目の多い水質関係第1種が、他の種別と比較して合格率が最も高いという点です。
これは一見すると矛盾しているように思えますが、その背景には「科目合格制度」や「区分合格制度」の存在が大きく影響しています。
第1種を受験する層には、すでに他の種別で一部科目に合格し、免除制度を利用して残りの科目のみを受験する経験者が多く含まれるため、全体の合格率が押し上げられていると考えられます。そのため、単純な合格率だけで難易度を判断するのは避けるべきです。
科目免除を活用した戦略については以下の記事で詳しく解説しています。
4. 失敗しない種別の選び方:あなたに最適なのはどれ?
公害防止管理者の資格取得は、あくまで手段です。あなたの目的や現在の状況に合わせて、最適な種別を選ぶことが重要です。
ケース別おすすめの種別
- 会社から特定の種別を指定されている場合
- 迷わず、指定された種別の取得を目指しましょう。業務に直結するため、学習のモチベーションも維持しやすいはずです。
- キャリアアップ・転職を狙う場合
- 水質関係第1種の一択です。第1種はすべての水質関係公害発生施設で選任可能であり、最も汎用性が高く、企業からの需要も高い傾向にあります 。資格手当の面でも優遇されることが多く、長期的なキャリア形成において大きなアドバンテージとなります。
- 公害防止管理者の資格を初めて取得する初心者の方
- まずは水質関係第4種から挑戦し、科目合格制度を活用してステップアップする戦略も有効です。第4種は試験科目が3科目と最も少なく、学習負担を抑えられます。基礎を固めてから、徐々に上位種別を目指すことで、無理なく合格へと近づけるでしょう。
5. 効率的な合格戦略:科目合格制度と認定講習の活用
公害防止管理者試験には、合格への道を拓く二つの有効な戦略があります。
科目合格制度を最大限に活用する
公害防止管理者試験の大きな特徴の一つが「科目合格制度」です。一度合格した科目は、申請により翌年度から2年間(合計3年間)試験が免除されます 。
この制度を戦略的に活用することで、一度に全科目に合格するプレッシャーを軽減し、計画的に学習を進めることが可能です。
活用例:
- 1年目: まずは水質関係第4種の3科目(公害総論、水質概論、汚水処理特論)に集中して合格を目指す。
- 2年目: 1年目の合格科目を免除申請し、水質関係第1種に必要な残りの2科目(水質有害物質特論、大規模水質特論)に集中して学習し、合格を目指す。
このように段階的に学習を進めることで、各科目にじっくりと時間をかけ、理解度を深めることができます。特に社会人受験生にとっては、仕事と学習の両立を無理なく行うための強力な味方となるでしょう。
試験と認定講習、どちらを選ぶべきか?
公害防止管理者の資格を取得する方法は、試験に合格する以外に「公害防止管理者等資格認定講習」を受講し、修了試験に合格する方法もあります 。
| 取得方法 | メリット | デメリット | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|
| 国家試験 | ・受験資格なし(誰でも受験可能) ・費用を抑えられる | ・独学の場合、学習計画やモチベーション維持が難しい ・合格率が低い | ・費用を抑えたい ・自分のペースで学習したい ・技術資格や実務経験がない |
| 認定講習 | ・確実に資格が取得できる(修了試験合格が前提) ・体系的に学べる | ・受講資格(技術資格や実務経験)が必要 ・費用が高額 ・第1種は技術資格が必須 | ・受講資格を満たしている ・費用よりも確実性を重視したい ・短期間で取得したい |
認定講習は、特定の技術資格や実務経験が必要となるため、誰もが受講できるわけではありません。特に水質関係第1種の場合、技術資格が必須となります 。
そのため、多くの方にとっては、受験資格の制限がない国家試験での取得が現実的な選択肢となるでしょう。ただし、受講資格を満たしており、費用をかけてでも確実に資格を取得したい場合は、認定講習も有力な選択肢となります。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
6. よくある質問 (Q&A)
Q1. いきなり水質関係第1種を受験しても大丈夫ですか?
A. はい、受験資格に制限はないため、いきなり第1種を受験することは可能です。しかし、試験科目が最も多く、広範囲な知識が求められるため、十分な学習時間と覚悟が必要です。前述の科目合格制度を上手に活用し、計画的に学習を進めることをお勧めします。
Q2. 文系出身で未経験ですが、公害防止管理者に合格できますか?
A. はい、文系出身や実務経験がない方でも合格は十分に可能です。公害防止管理者試験は、過去問を繰り返し解くことで出題傾向を掴み、知識を定着させることが合格への鍵となります。特に、計算問題や法令に関する問題はパターンが決まっていることが多いため、重点的に対策することで得点源にできます 。
Q3. 公害防止管理者の資格手当や年収への影響はありますか?
A. 公害防止管理者の資格は、企業によっては資格手当の対象となることが多く、数千円から数万円の手当が支給されるケースがあります 。また、環境規制が厳しくなる中で、公害防止管理者の需要は安定しており、特に水質関係第1種のような上位資格は、転職市場においても有利に働くことがあります。年収アップに直結するというよりは、キャリアの安定性や専門性の向上に寄与すると考えるのが適切でしょう。
7. まとめ
本記事では、公害防止管理者(水質)の1種から4種までの違いを、業務内容、試験科目、難易度、合格率、および最適な選び方という多角的な視点から解説しました。
重要なのは、あなたの現在の状況と将来の目標に合致した種別を選ぶことです。闇雲に難しい種別を目指すのではなく、科目合格制度を賢く利用したり、自身のキャリアプランに最適な種別を選んだりすることで、合格への道のりはより明確になります。
この資格が、あなたのキャリアを豊かにし、環境保全という社会貢献にも繋がることを願っています。ぜひ、今日から学習をスタートさせ、公害防止管理者としての第一歩を踏み出してください。
参考文献
[1] 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律 – e-Gov法令検索:
[2] 公害防止管理者の水質関係とは?区分の違いや受験資格など解説 | SAT株式会社:
[3] 公害防止管理者資格の13種類の区分について解説! | SAT株式会社:
[4] 公害防止管理者の水質1種・2種・3種・4種の難易度と過去問の傾向 | ISEED:
[5] 【2025年版】公害防止管理者の難易度・合格率はどれくらい? | SAT株式会社:
[6] 公害防止管理者等国家試験の合格率 | 一般社団法人産業環境管理協会:
[7] 公害防止管理者とは?種類や試験合格のためのポイント・科目免除について解説|求人・転職エージェントはマイナビ転職エージェント:






コメント