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資格は本当に無価値なのか?技術者のキャリアにとっての資格の価値

kurupanです。

資格勉強を続けていると、

「仕事を通して身に付けるスキルに価値がある。資格に大きな価値はない」

といったニュアンスのことを仰る方もいます。

果たしてそうなのでしょうか?資格はキャリアにとって無価値なのでしょうか?

資格の価値について考えました。

〇そもそも資格とはなんだろう?

資格とは、一般的には「該当するもの・ことに相応しい地位・立場」のことです。

逆に言えば、資格取得は「相応しい地位や立場を得る」ための行為といえます。

〇資格とスキルの違い

ここで、

「相応しい地位や立場を得るために必要なのは、資格ではなくスキル(実力)だ。」

と思われる方もいらっしゃると思います。

私も、本来はそうあるべきだと思います。

実際、個人で活動されている方は、資格を取ることによって自身のスキルをアピールするのではなく、個人のスキル(実力)をあらゆる手段でアピールしながら地位や立場を勝ち取っている方が多いと思います。

ですが、私のような企業に努めるいち会社員にとって、自分のスキルをアピールするのは容易ではないのです。

〇上司の立場から資格の価値を考える

企業における社員のスキルの評価について、上司の視点から考えてみます。

上司(マネージャー)にとって、どの仕事(プロジェクト)を誰に割り当てるか、というのは、悩みごとの一つです。

人事権があるマネージャーは、任命した部下のミスの責任を取る必要があるからです。

仕事の割り当てにあたり、マネージャーの判断基準は複数あると思いますが、技術者・エンジニアの場合、重要なのが個人が保有するスキルになります。

このスキルの把握がやっかいなのです。

企業によっては社員のこれまでの業務内容と、そこから考えられるスキルを記録していると思われますが、ある程度ざっくりしたものになることは避けられません。スキルのレベルまで正確に記録している企業は滅多にないでしょう。

上司によってはスキルの把握に尽力している人もいますが、その把握力も限界があります。特に、社員の専門分野と上司の専門分野が異なる場合、上司が社員のスキルのレベルを正確に把握することはできません

そこで、社員のスキルレベルを把握するために重要なのが資格になります。

資格を取得しているということは、客観的な(社外にも通用する)基準を満たすレベルのスキルを保有している証明になります。

これは、上司が仕事を割り当てるときの判断基準としては、非常に心強いものです。

つまり、資格取得は上司に自信をもってスキルをアピールできる手段といえます。

〇採用担当の立場から資格の価値を考える

就職、転職の場合は、資格はさらに大きな効果を発揮します。

自分の会社の上司に評価してもらう時とは異なり、就職・転職先の上司は自分のスキルに関して情報がありません。

面接で自分の経歴をアピールすることもできますが、ただアピールするだけであれば、いくらでも誇張できてしまうため、なかなか信用を得にくいです。

やはり、このような場合でも、資格は活躍します。

やはり、資格の最も重要な価値は、

「客観的にスキルの有無を証明できること」

です。

自身の経歴のアピールではいくらでも誇張できますが、資格の合格基準は絶対です。

資格を持っていることで最低限どのようなスキルを持っているかを明確に示すことができます。

採用担当の立場で考えると、この点は非常に価値が大きいです。

人を雇うのは大きなリソースを消費しますので、企業としては失敗できないのです。

そこで、最低限のスキルの証明ができる資格を持っていると、採用担当者に大きな安心感を与えることができます。

就職・転職時に資格をアピールする際は、このことを念頭に置いてアピールしましょう。

〇資格はキャリアをコントロールするツール

  • 企業での業務を通してスキルを取得すること
  • 自発的に資格を取得しながらスキルを取得すること

この2つの最大の違いは、自分でスキルを選べるか否かだと思っています。

資格を取得する際は、当然自分でどの資格を取るか、どのスキルを身につけるかを選ぶことができます。

しかし、企業での業務を通したスキル取得ではそうはいきません。企業があなたに求めるスキルとあなたが取得したいスキルが異なることは多いと思います。

終身雇用の前提が崩れつつある現代では、企業の言いなりになってスキルを身に着けるのは非常にリスキーです。

市場価値の低いスキルばかり取らされたままで企業が倒産してしまうと、いい条件で次の就職先が見つけられなかったり、最悪の場合、再就職できないことも考えられます。

自分の身を守るために、市場価値を高めるスキルを取得する必要があるのです。この点で、資格は非常に有効です。

また、社内人事や、就職・転職時にも、「自分でスキルを選択できる」という強みは活かすことができます。

もしあなたが今とは異なる業務を望む場合、ただ上司に直談判しても実を結ぶ可能性は低いでしょう。あなたのことを知らない転職先の上司の場合はいわずもがな、です。

しかし、自分が望む業務のスキルに関連する資格を持っている場合は、希望が通る可能性が高まります。

前述したように上司や採用担当は、あなたを異動・採用することに対して責任を負います。

資格を持っている人であれば、ある程度のスキルと熱意を持っていると考えることができ、異動・採用する際のリスクを減らすことができるからです。

つまり、資格を取ることで、ある程度自分のやりたい仕事に就ける可能性を上げることができます。資格はあなたのキャリアをコントロールするためのツールなのです。

〇まとめ

本記事では、技術者・エンジニアにとっても資格の価値について述べました。

私は、「資格は自身のキャリアをコントロールするためのツール」だと思っています。

今後、日本企業は終身雇用制度が終焉を迎え、個人のスキルがより重要になる時代がやってきます。この時代に備え、スキルの修得と証明のために、自分のキャリアに相応しい資格を取得しておくことをお勧めします。


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